退去立会いの重要性|お部屋の印象と補修のポイント
2026.04.21
家主さんの中には、退去立会いについて、こんなふうに感じる方も多いのではないでしょうか。
「何を見たらいいのか、よくわからない」
「退去される方と顔を合わせるのは少し気が重い」
「土日や引っ越しの時間に合わせるのが大変」
「鍵を返してもらったら終わりではないの?」
そう感じるのは、自然なことだと思います。
退去立会いは、一見すると短い確認のように見えます。ですが実際には、次の募集やお部屋の印象にもつながる大切な場面です。
退去立会いは、鍵を受け取るだけでは終わりません
退去立会いでは、鍵を受け取り、お部屋の中を確認します。そのときに大きな破損がなければ、ひとまず安心することもあります。
ただ、見た目には大きな問題がなくても、次に貸す前に手を入れた方がよい部分が見つかることは少なくありません。その確認をあいまいにしたまま終わってしまうと、あとで「どこまで補修するのか」がわかりにくくなることがあります。
退去立会いは、だれかを責める場ではありません。今のお部屋の状態を、その場で一緒に確認するための大切な時間です。
クリーニングで直らないこともあります
室内の清掃で整う部分は多くあります。ですが、清掃だけではきれいにならないものもあります。
· クロスにしみが残っている
· 小さな破れや傷がある
· 扉や収納に当たり傷がある
· キッチン収納の中に跡が残っている
こうしたものは、拭き掃除では元に戻らないことがあります。
お部屋は、次に住む方が見たときの印象も大切です。内見のときに「なんとなく古く見える」「少し清潔感が足りない」と感じられると、それだけで決まりにくくなることがあります。
小さな跡でも、印象は変わります
たとえばキッチンの下の収納です。調味料や油、鍋やフライパンなどを置いていた場所に、跡が残ることがあります。
毎日使う場所なので、少しずつ付いた汚れやしみは、住んでいる間は気づきにくいこともあります。けれど、空室になって改めて見ると、意外と目に入るものです。
玄関まわりや収納の扉も同じです。毎日の出入りや物の出し入れの中で、少しずつ傷が付くことがあります。
一つひとつは小さなことでも、重なるとお部屋全体の見え方に差が出ます。
何でも補修の対象になるわけではありません
ここはとても大切なところですが、退去立会いで室内を細かく見るのは、何でも相手に負担していただくためではありません。
お部屋には、年数とともに自然に出てくる傷みもあります。住み方が普通であっても、ある程度は変化していきます。また、契約内容によって確認の仕方が変わることもあります。
そのため、実際には、住まれていた年数、使い方の状況、契約内容、入居前の状態などを見ながら、どこまで補修が必要かを整理していきます。
大切なのは、感覚だけで決めないことです。その場で見た状態をもとに、きちんと確認することが必要です。
補修を先送りすると、お部屋の印象は少しずつ落ちていきます
家主さんの中には、「今回はこのままでよい」「そこまで細かく見なくてもいい」と考えられる方もおられます。
それも一つの考え方です。ただ、その判断が続くと、お部屋の印象は少しずつ変わっていきます。
特に、1Kや1LDKのように入れ替わりが比較的多いお部屋では、数年ごとに人が変わることも多くあります。そのたびに小さな傷やしみをそのままにしていると、いつのまにか「少し古く見える部屋」になってしまうことがあります。
築年数だけで決まるわけではありません。手入れされているかどうかで、見え方は変わります。
お部屋の印象は、家賃や空室期間にも関わってきます
同じような立地、同じような間取りでも、きれいに整っているお部屋と、何となく古く見えるお部屋では、選ばれ方が変わります。
借りる方は細かく比較していないようでも、印象で判断していることが多くあります。「きれいだな」「気持ちよく住めそうだな」と思っていただけるかどうかは、大切です。
その差が、家賃や空室期間に影響することもあります。だからこそ、退去のときにお部屋の状態をきちんと見て、必要な補修を考えることは、賃貸経営のうえでも大切だと当社は考えています。
家主さんには、見えにくい費用もあります
賃貸経営は、家賃を受け取るだけのものではありません。
ローン返済のある方もおられます。固定資産税もかかります。募集のための費用や管理の費用がかかることもあります。また、建物や設備は年数とともに少しずつ傷みます。
たとえば、エレベーター、自動ドア、給湯器、共用部分の床や壁、外壁や屋上など、こうしたものは、いつか手を入れる時期が来ます。
そのため、お部屋を次も気持ちよく貸せるように保つことは、家主さんにとって大切な仕事の一つです。退去立会いも、その流れの中にあります。
当社は、入居前と退去時の両方を大切にしています
当社では、退去時だけでなく、入居前の状態もできるだけ記録するようにしています。
当社は退去時に写真を平均100枚近く、入居前に写真を50枚近く、あわせて動画も撮っています。もちろん、状況やお部屋の広さによって枚数は変わります。
もともとあった傷なのか、入居後に変わった部分なのか、どこに補修が必要なのか。こうしたことを確認しやすくするためです。
写真や動画を残しておくことで、あとからの行き違いを減らしやすくなります。家主さんにも、退去される方にも、わかりやすい形で確認しやすくなるからです。
退去立会いは、地味ですが大切な管理の一つです
退去立会いは、目立つ仕事ではありません。時間も手間もかかります。気を使う場面もあります。
ですが、この場面をていねいに行うことで、次の募集がしやすくなり、お部屋の印象も保ちやすくなります。そして、あとからの行き違いも減らしやすくなります。
家主さんご自身でされるのも一つです。ただ、負担が大きい、判断が難しい、そこまで手が回らないという場合は、退去立会いをていねいに見てくれる管理会社に相談する方法もあります。
当社は、退去立会いを、ただ鍵を受け取るだけの時間とは考えていません。お部屋を次へつなぐための、大切な管理の一つだと考えています。
